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蟻からAntsへ

蟻”Ants”

東京都写真美術館での発表後、未だ継続しているプロジェクトとして、Antsがあるのですが、このプロジェクトそのものは、2006年ほどに遡ります。
一度は中断していたものですが、2018年に、うつ病で入院したことによって復活。
かつて、映像作品として使っていた技法を、写真に転用したものでした。

Tomomichi Nakamura “Ants” 2008

この作品は、オーバーハウゼン国際短編映画祭をはじめ、世界各地で評価されることになります。
いつかは、これの続きをやろうと思っていたのですが、アイデアとしては、アートに近く、映像作品として発表していくには、少々しんどいものでもありました。
個人的には、映像作品の発表の場は、映画祭という形式が支配的で、完全なアートのように作ってしまうと、評価を得にくく、発表も難しくなるという印象がありました。

個人的な感想として、この映像には、やや中途半端なものを感じていました。

蟻のような

like ants
蟻のような メイン写真

これまでの、諸問題を解決という意味で、写真というものを考えてみました。
病気に陥った、ぼくにとって、最も大きな問題は、アニメーション作品は、モニターを見ながらの作業であり、その時間が圧倒的に長いのであり、まず不可能である事。

あと、「蟻」2008 において感じていた事ですが、なんとか、映画祭という枠で発表するために、映画の要素を入れている事でした。
この作品そのものは、よりアートに近いものとして制作した作品で、他のぼくの映像作品に比べても、それは顕著です。
実際、オーバーハウゼン国際短編映画祭をはじめ、ポンピドゥーセンター(パリ)、ソフィア王妃芸術センター(マドリード)、世界文化の家(ベルリン)等の、よりアートに近い状態での発表であって、本来は映画を目指すべきものではありませんでした。

この中途半端さを解消する上で、写真というフォーマットは都合が良かったかもしれません。
理由としては、写真は映像よりも歴史があり、よりアートに近い表現として認知されているところにあります。
あと、ぼくが、たまたま撮影していた、人生の断片のようなものを繋げるフォーマットとして適していると感じたことにあります。

”蟻のような”は、2019年5月までの制作をまとめたもので、写真点数は16点、メイン写真は、まさに5月末に出来上がったものでした。
この作品は、キヤノン写真新世紀2019にて、グランプリを獲得することになります。

Ants” 2020

作品”ANTS” の個展の案内

「蟻のような」以降も、作品は継続していて、2019年度の写真新世紀展でも、会場で、リネケ・ダイクストラ氏やポール・グラハム氏にも、続きを見せています。その時点で、この個展用の写真の半分は完成していました。
つまるところ、グランプリを取る取らないに関わらず、写真作品としての”Ants”を続けようとしていた事になります。
特にですが、ポール・グラハム氏は、新たな”Ants”の写真は、良いので発表するべきとの意見をいただいていたので、個展は、「蟻のような」の発展型としての”Ants”を制作することになりました。
リネケ・ダイクストラ氏にも、怖さと美しさが混在するという感想をいただいていました。

この作品では、映像も作られており、それは、2008年の”Ants”のフォーマットを再び採用したものになりました。
実際には、発展しているところもあり、体力の関係で合理化したところもありでしたが、よりアートに近いイメージであり、映画とは、もう少し離れたものになったと思います。ただ、それを完全に排するものではなく、展開としては、映画的なものを踏襲しています。理由としては、写真作品としても、ぼくの作品は、映画に近い要素を持っているからに他なりません。ただ、映画そのものでは無いがために、何故かアート的になるところが面白くもあります。

今後、この作品が、どのように進化するのか?は、実のところ考えていませんが、継続的に考えていこうとは思っています。

現在は、次の作品を考えており、それが、このコロナ禍の中で、どのように実現できるのか?を考える必要に迫られています。
人に接触する作品であり、それは、現在、なかなか叶わないものでもあるのです。

本来、映像作家で、アニメーションなどを作っているはずでしたが、あまりのしんどさから体調崩して病気になり、とてもじゃないけど、アニメーションなど作れない状態に陥り、現実逃避から、流れに流されて写真などを撮ってストレス発散している次第であります。 基本的にテーマなどなく、その日の気分で撮った写真とかをアップしたり、たま~に日の目を見なさそうなマイナー機材や、既に終わっている機材をレビューしたりしていきます。 昭和シェル石油現代美術賞、イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、ポンピドゥーセンター、ソフィア王妃芸術センター、キヤノン写真新世紀 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。 どこまで流されるのか・・目的地は不明。- お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。

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