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HOLGAの絞りを二段階きちんと使えるようにする

絞りに、晴れと日陰、室内?の設定があるけど、何故か、切り替えても変化しない

これは、HOLGAの設計上の不備と言いますか、絞り切り替えスイッチはあるものの、絞りは変化しません。
ですが、機構としては、あるような感じになっているので、簡単に直せます。
Wikiを見ると、簡単に直せると書いてました。
というわけで、うちのHOLGA2台とも絞りを直そうと思います。

何でも良いけど、黒く薄いシートと接着剤を用意する

ダイソーに売っていたラバーシート

百均に行けば、だいたい使えそうなものがあるのですが、今回は、このアイロン転写ラバーシートを使うことに。
なんとなく、見た目の質感が、ホルガレンズの絞りのリングに似てたからです。
これと、エポキシ接着剤を使います。
エポキシ接着剤をなぜ使うのか?といいますと、後に説明する微調整に向いてるからです。

とりあえず分解

HOLGA 120N

これは、HOLGA 120Nです。
後ろの蓋を開けますと、このようなネジがあります。
これを外します。

HOLGA 120N

上にもう一つネジがありますので、これも外します。

HOLGA 120 FN

これは、HOLGA 120 FN の場合も同様です。
この二か所を外します。

外すと、このように二本のネジで止められているのが分かります。
これも外します。

HOLGAの絞り切り替え機構

これで、問題の箇所に、たどりつけます。
この絞り調整機構ですが、この四角い穴の大きさが、そもそもレンズの絞りの径よりも大きいのです。
つまり、絞りをもう少し絞ろうとするならば、それよりも小さな穴が必要です。
なので、ここに直径2.5mm程度の穴を作る必要があります。
それよりも小さくすると、更に絞られるので、そこはお好みで。どのように使いたいのかによります。

絞りを作って取り付ける

直径2.5mmの穴をあけたシート

先ほどのシートをカットして、2.5mmほどの穴をあけてみました。ハンダごてを使いました。
とりあえず、絞りのパーツは、これで完成です。

これを、絞り機構に取り付けます。
シート同様に、百均で購入した、エポキシ接着剤を使っています。
エポキシ接着剤は、すぐに乾かないのが良いところです。

HOLGAのレンズユニットに新たな絞りを取り付けた様子

エポキシ接着剤が、乾かないうちに取り付けてみました。
この状態で、絞りの穴が、真ん中にきているか見ます。
もし、真ん中ではないとしても、エポキシ接着剤は乾いていないので、場所を動かせます。真ん中に来るように、ずらしてみましょう。
接着剤が、本体に付かないように気を付けます。
もし付いていたら、ふき取りましょう。

二台分の絞り機構

絞りの穴が、真ん中にきていたので、とりあえず外して乾かします。
その後、一応つや消しブラックの塗料を塗ってみました。テカリを無くすためです。

絞りを取り付けるとどうなるのか?

HOLGA 絞り日陰設定

最初からの絞りは、このサイズです。これは、レンズに最初から付いている絞りで、F8とされています。
ただ、このレンズ、一眼レフカメラ用にも売られていますが、少なくとも、F8よりは暗いと思います。F11以上じゃないでしょうか?おそらくF13前後。
一眼レフ用は、更に絞りの穴が小さかったようにも思いますが、カスタマイズして、オリジナルのものを付けています。それでも、F8よりは暗いと感じます。
そう考えるほうが、納得のいく写真が撮れます。
HOLGAは、シャッタースピードが1/100秒固定なので、少なくとも絞りは変動してほしいカメラです。

HOLGA 絞り晴れ設定

絞りを、晴れに切り替えてみました。
このように、絞りが絞られていることが分かります。しかし、一段以上絞っているように見えてしまいます・・これで良かったのかな?それでも、売られているホルガレンズの穴のサイズに近いものでもあります。
これで完成です。
ここから、元通りに組み立てていきます。

関係ありませんが、HOLGAのピントリングは、スカスカなので、分解したついでに、ヘリコイドグリスも塗っておきました。
ピントリングが、少しばかり滑らかに動くようになりました。

ちょっとした事ですが、これで撮影領域が随分と増えます。

HOLGA 120N と 120FN

すべて終了して組み立てました。
個人的には、これで、炎天下での撮影も可能になりましたので、それだけでも嬉しいかぎりです。

もう一つ言いますと、HOLGA 120Nで、絞りを絞って、多灯ライティングをしてみようかと思っています。
このレンズ、中央は意外に解像しますので、それで絵作りを考えています。もちろん作品のためです。

HOLGAは、構造がシンプルなので、改造ベースにも面白いカメラかもしれませんね。

その後、制作のためストップしていた、ジャンクレンズ群を修理。
今日は、二本修理したところで終了。
また、時々修理も楽しもうかと思います。

2017年ごろまでアニメーション等の映像作家 その過酷さから病気に倒れ、限界を感じた事から、その後写真作家に転身 イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、キヤノン写真新世紀 LensCulture 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。東京都写真美術館で個展、LensCulture Art Photography Awards 2022 LensCulture Emerging Talent Awards 2023 にて Jurors’ Picksなど NHK ドキュメント20min.「蟻(あり)と人間とぼく アーティスト・中村智道」で紹介される 尚、写真等の無断使用はお断りいたします。一言ご連絡ください。 お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。 e_mail:nakamura.tomomichi@gmail.com

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