トランプとアンチヒトラーの時代
トランプが行っている事は、おそらくはホワイトナショナリズムの復権のようなものだろう。
第二次大戦後は、ホワイトナショナリズムというものに対する反省によって成り立っていると思う。何故ホワイトナショナリズムというものに対して反省しなければならないのか?に関して言えば、ヒトラーがホワイトナショナリストだったからだろう。その反省によって、第二次大戦以降は、マイノリティーの人権が拡大したという事実があると思う。マジョリティーによる、マイノリティーへの迫害に対する反省がそれを可能にした。だからこそ、女性や有色人種に対する人権も見直される事になった。現在は、LGBTQ等に関しても見直す動きが出てきたところだ。
トランプが、ホワイトナショナリストだとすれば、彼、或いはその周辺がナチズムを肯定するのは、ある意味自然な形だ。それに沿った行動や発言が今後起こっても、それは日頃彼が思っている事が表に出ているのにすぎない。
実を言えば、トランプに関しては、多くの有色人種が危機感を抱く必要があると思う。喜んでいる野菜は、相当に頭が弱いとしか言いようがないが、どうやら自分たちは特別という見方をしているらしい。左翼に対して、してやったりとかいう考えは、かなり的外れだとしか言いようがない。何故、有色人種であるぼくらがホワイトナショナリズムの恩恵を受けると思えるのか?
彼らが目指すのは、ヒトラーの悪性の解除と、それ以降の世界なのだと思う。第二次大戦以降が、アンチヒトラーの時代だとすれば、それを終焉させようという動きが拡大してきているのが今なのだろう。イーロン・マスクによる、ナチス式敬礼なども、それを念頭に置いた意識的行動の可能性もあるかもしれない。その行為に対する賛同が多いほど、アンチヒトラーの時代というものは揺らぐだろう。未だ、ヒトラーの絶対悪性が揺らいでいないとすれば、そもそも「アンチヒトラーの時代」などというものを「考える」必要も無い。
かつての絶対悪はサタンであったが、啓蒙以降の世界においては、それの説得力が無くなったため、誰かを絶対悪として設定する必要があったと思う。これそのものは、西側の都合によるものなので、東洋人であるぼくらには実は分かりにくいと思う、スターリンは違うの?というような疑問も普通に出ると思うが、実質的な支配が相変わらず西側によるものだとすれば、それを無条件で受け入れていることになる。
ともかく、西側社会ほどには、ホワイトナショナリズムの危険性を、特に東洋諸国、その中でも日本は理解していないため、トランプがトップとなっても喜ぶ人が驚くほど出現するのだろう。 日本が特に、危険性を感じない理由は簡単で、第二次大戦においては加害者側だったからであり、戦後における※悪の設定において希薄だったからとしか言いようがない。
こうして考えていくと見えてくるのだが、マジョリティーは力を持っているのであり、その力そのものの行使の有り様を時として「悪」と見て反省する必要がある。その考え方こそがマイノリティーの権利を拡大させるのであり、それが比較的生きやすい時代を作ってきたのだと理解するべきだろう。
※その後、しばらく考えてみたのだが、第二次大戦後に、日本が設定した絶対悪として、原爆があることに気づいた。この意識の解除に関しても時系列的には同様の事が起こっているのかもしれない。しかし、それは人ではなく、あくまでもモノにすぎない。それそのものに意志があるわけでもなく、だからこそ差別に関しての意識は遅れをとることになったのではないか?と、今考えている。
個々は気が付いていないかもしれないが、日本においては、女性差別はおそらく顕著であり、今だにモノと同様に扱われていると思われる現象を、「写真集」という括りでの検索でも見る事ができる。この意識とフジテレビ等における問題は無関係だろうか?
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