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YACHICA AUTO YASHINON 5cm F2

AUTO YASHINON 5cm F2 というレンズ

AUTO YASHINON 5cm F2

何と言うか、最近体調不良でやる気が出ず、用事が無いときは寝てばかりいる。医者曰く、脳が疲れている可能性もあり、無理に起きないほうが良いそうだ。しかし、やはり何かをする必要を感じ、口実としては、ジャンクレンズである。某オークションで、YACHICA AUTO YASHINON 5cm F2 という、古いレンズを入手した。いや、ジャンクレンズというか、光学実用レベルと書かれていた。
どうでも良いが、既に所有している、Auto-Takumar 55mm F2 前期型とそっくりである。理由は両方富岡光学製だからとも言われているようだ。しかし、玉数の問題なのか、YASHINON のほうが高めな気がする。絞りなどの作りを見ると、Takumar のほうが枚数が多くて良かったりする。



実際に、来たものを見ると散々である。レンズの中身に縞模様のようなものがあるし、カビも酷い。
このレンズは、富岡光学製らしいので、カシメとか、回すことができないような固着したネジとか覚悟する必要があるような気がしたが、やはり固い・・ともかく頑張って分解するしかない。
分解して分かったのは、典型的な4群6枚のダブルガウスタイプの光学系ということだ。つまるところ、カールツァイスのプラナー光学系と同様のタイプだ。年式も非常に古いので、この辺りは、海外のメーカーを真似て作っていたのだろう。富岡光学は、ヤシカに吸収されたため、ヤシカコンタックスの、ツァイスレンズも作っていたと思う。技術的にも、本家に認められていたとかなんとか。



前玉内部にある指紋・・やはりこれば指紋としか言いようがない。悪い予感だが、直そうとしたが、直せなかったレンズで間違いなさそうだ。。しかし、こんなことではまだ諦めない。


前群の中玉に指紋はあったが、バルサムも切れていた。仕方が無いから、バルサム剥離の後、バルサムで再接着である。最近は、紫外線硬化タイプの樹脂で直す人が多いようだが、光の屈折が変わっては困るので、バルサムを使うことにする。キシロールで溶かしたタイプを使うのだが、なかなか硬化しないので、しばらく放置である。



完璧ではないが、直ったような気がする。前玉に、薄いが、拭き傷がある。それ自体は写りに影響は無いだろう。しかし、後玉に、カビのふき取り跡と、それによるクモリが残ってしまった。ただ、このタイプのクモリは、意外にも写りに影響しなことが多い。よほど斜めから見ないとはっきりと見えないものだからだ。自分で使うのだし、殺菌もしたから、とりあえずは安心ということで。


カメラに取り付けてみる

PENTAX K-3 Mark III Monochrome に取り付けた AUTO YASHINON 5cm F2

K-3 Mark III Monochrome に取り付けたが、小さい。そもそもこういったモノは、年代を重ねると小さくなりそうなものだが、カメラのレンズは大きくなり続けている。これで、フルサイズ用なのだから、驚きの小ささである。
このレンズだが、基本的にK-3Ⅲ monochrome で使おうと思っている。というのも、ここまで古いレンズだと、モノクロ撮影がまだ多かった時代だろうと。相性が良いかもしれないと思ったわけだ。



撮影してみる

以下の写真は、クリックで等倍鑑賞可能です。

MONO0949.jpg

PENTAX K-3 Mark III Monochrome / AUTO YASHINON 5cm F2 (F8)

撮影してすぐに問題が発覚。とりあえず遠景などを絞って撮ってみるわけだが、それは、これが道具として使えるのか?というのもある。個人的には、オールドレンズでも作品制作をしているので、エモさよりも、きちんと写るのかが重要だったりする。
まず、開放だと無限遠が合わない。そして、画面右側が、完全に片ボケである。無限遠に関しては、この程度の焦点距離ならば、絞って強引に無限遠を被写界深度内に収めるという方法もあるが、やはり等倍で見るとやや甘くなる。



再び分解

今回、分解してやることは沢山あるのだが、一つは、レンズの中玉を回転させて、片ボケが無くなる位置を探すこと、もう一つは無限遠を作り出すことである。このレンズはアンダーインフだったので、無限遠に合わせるすべが無いのと、そもそも無限遠調整用の何かが付いているわけでもない。つまり、無限遠は通常ならば出ないのである。しかし、そんなことでは諦めない。無限遠側のストッパー部分を削って、ネジ半分少々分無限遠方向に回るようにしたことで、強引に無限遠を出した。けっこう骨の折れる作業だったが、こういうことで愛着がわいたりもする。



このレンズ、一応APS-C機の PENTAX K-3 Mark III Monochrome で主に使う予定だが、調整となるとフルサイズでの調整が良いだろうということで、K-1を使用した。前群の中玉を外して、ポイントを付け、回転させて、より良いと思うところに調整して詰めていくという方法だ。レンズはカメラに取り付けたままで前玉を外しては調整して取付を繰りかえした。
結論を言えば、片ボケと無限遠の問題は、概ね解決したと思う。像面湾曲が多少あるが、こんなものだろう。


修正後、再度撮影

MONO1032.jpg
PENTAX K-3 Mark III Monochrome / AUTO YASHINON 5cm F2 (F5.6)

こちらの写真が修正後である。片ボケは解消され、無限遠は見事に合っていると思う。この機はモノクローム機であるため、ローパスフィルターも無く、デモザイク処理もされない。なので、レンズの素性はよく分かる。
こんな感じで、このレンズは復活を遂げたわけだが、今一度試してみることに。



K_1N1025.jpg
PENTAX K-1 / AUTO YASHINON 5cm F2 (F2)

カラー写真、開放での撮影。フルサイズ機での撮影なので、本来の画角だ。
このレンズ、基本的に寒色系の印象だが、被写体の色の影響を全体的に受ける気がする。F2と小口径ではあるが、レンズが小さいこともあり、それなりに口径食もある。ボケは比較的癖もある事が多いが、それはそれで面白い。ダブルガウスレンズらしい絵と言えばそう。
こういう被写体だと、やたらと絵のような感じで撮れる印象だ。


作例

以下の写真は、すべて等倍鑑賞可能です。

K_1N1035.jpg
PENTAX K-1 / AUTO YASHINON 5cm F2 (F2)




K_1N0975.jpg
PENTAX K-1 / AUTO YASHINON 5cm F2 (F2.8)





K_1N1053_DxO.jpg
PENTAX K-1 / AUTO YASHINON 5cm F2 (F4)





K_1N1065_DxO.jpg
PENTAX K-1 / AUTO YASHINON 5cm F2 (F2.8)

2017年ごろまでアニメーション等の映像作家 その過酷さから病気に倒れ、限界を感じた事から、その後写真作家に転身 イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、キヤノン写真新世紀 LensCulture 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。東京都写真美術館で個展、LensCulture Art Photography Awards 2022 LensCulture Emerging Talent Awards 2023 にて Jurors’ Picksなど NHK ドキュメント20min.「蟻(あり)と人間とぼく アーティスト・中村智道」で紹介される 尚、写真等の無断使用はお断りいたします。一言ご連絡ください。 お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。 e_mail:nakamura.tomomichi@gmail.com

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