FUJIFILM FinePix F700 の内蔵電池(コンデンサー)を交換
目次
長年放置していたFinePix F700の内蔵電池(バックアップ用コンデンサー)が終了していた
前回、PENTAX K10Dの時と同様に、こちらのデジカメも内蔵電池(バックアップ用コンデンサー)が終了していた。つまるところ、電池を抜くたびに、日時設定および各種設定がリセットされるのである。
AliExpressで、5つほど ELNA DCK-621 3.3V 0.22F 電気二重層コンデンサーを購入していたこともあり、こちらも修理しようと思った。しかし、問題もある。同じようなコンデンサーを使っているかは、見るまでは分からないのだ。ぼくは、コンパクトデジカメは分解したことはないので、少々迷いはした。というのも小さいから精密だろうと。
しかし、その昔、この機種を気に入って使いまくっていた時代がある。一眼レフよりも、コンパクトデジカメのほうが好きだったのである。
あと、最近の、オールドデジカメブーム、特にコンパクトデジカメのブームを見て、手元にあるコンパクトを見直してみようかと思ったこともある。
この機種の場合、コンデンサーを終わらせてしまうと日時だけでなく、各種設定もリセットされてしまい、次にONにしたときに、非常に戸惑う事になる。ストレスなので、直るまで使う気になれない。
ぼくは、この機種で、CCD-RAWを使っていた。F710も持っていたが、RAWで撮った場合、こちらのほうがよく写るのだ。おそらく、レンズがこちらのほうが優れている。レンズには SUPER EBC FUJINON ZOOM-LENS と銘が入っている。F710は、ただのFUJINON LENSだったと思う。その分、ズーム倍率は高かったが、こちらを残し、手放してしまった。
修理にとりかかる
現在、手元にあるのは、こちらのコンデンサーである。このタイプは非常に多く使われているので直せることに期待して分解する。
Y型ネジ
ネジを外すとき、戸惑うかもしれないが、Y型だ。特殊工具に近く、100均とかの工具では難しいが、アマゾンとかで1000~2000円台で売っている精密工具セットとかには入っている。122in とか 130in とか書いてあるやつだ。それほど高くもないので、こういう修理などをする人は、一つ持っておいても良いだろう。
とりあえず書いておくが、修理は自己責任で。確実に直したい場合は、業者に頼む事。
FinePix F700 を分解していく
矢印の4つのネジを外す。
矢印の2つのネジを外す。
矢印の二つのネジを外す。
開いた様子
案外簡単に開いた。ここまで、外したネジはたったの8本にすぎない。リボンケーブルが簡単に外れるが、開くとき無理に引っ張らないこと。
ここに、内蔵電池(コンデンサー)は無いようだ。
背面を見てみると、早くも内蔵電池(コンデンサー)が見つかった。ここまでは非常に簡単なのだが・・
コンデンサー(内蔵電池)の形状が異なる
どう見ても、手持ちのコンデンサーとは形状が異なる。
このタイプではないだろうか?手持ちのコンデンサーを買う時、こちらも買おうかと悩んだタイプだ。
どうせ壊れているので、元々付いていたコンデンサーを外した
どちらにせよ、壊れているのと、修理する予定なのでコンデンサーを外した。
新たにコンデンサーを入手しようかと思ったが・・
既に持っているコンデンサーと外したコンデンサーを比べてみたが、溶接個所がぜんぜん違う。一つ言えるのは、手持ちのコンデンサーは随分と大きい。容量とか色々と期待は持てる。
無理やり付けることにした
手持ちのコンデンサーの容量に期待して、取り付けることにした、あと中国からの取り寄せは、場合によっては月単位かかるので、やる気を無くす可能性もある。しかし真似はしないように。
取り外したコンデンサーから金具を切り取り、元の場所にハンダ溶接した。
先ほど付けた金具側は、マイナスだと思うのでこのように取り付けた。要はボタン電池と同じ形状なのでこのように付けたという感じだ。これで使えるのではないだろうか?
他の諸々に当たっているので、テープで絶縁する。
裏面を取り付けたとき、何かが当たるかもしれないので、こちらも絶縁する。
これで、元通りに組みなおすと完成だ。
※ その後、結局元々付いていたコンデンサーと同様の形状のものに付け直しました。
修理完了あと FUJIFILM FinePix F700 について少々
カメラを組み終えたが、この後すぐに電池を取り出したら、また設定はリセットされる。電池を入れて、しばらくコンデンサーの充電が必要だ。なので、様子を見たい場合は少し待ってみると良いだろう。電池を抜いても、設定がリセットされなけれな完了だ。このカメラは、元通り直っていたので、これでOKということになる。
FUJIFILM FinePix F700 は、スーパーCCDハニカムSRを搭載した、特殊なデジカメで、もしかしたら今でも人気がある。今はもうスーパーCCDハニカムは製造されていないので、貴重な機種でもある。スーパーCCDハニカムSRは、大き目な画素と小さ目な画素を半々持っており、600万画素あるが、事実上300万画素の機種ということになる。高画素ではなく、ダイナミックレンジのほうに小さな画素を割り当るという仕組みだ。とはいえ、現在の裏面照射型CMOSに比べてダイナミックレンジがあるわけでもなく、そういったセンサー性能では遠く及ばない感じだ。ただ、レンズ性能が良いため、KODAKなどから出ている安価な現行機種に比べると綺麗な絵を吐き出す事も多々あると思う。なぜ、安価な機種と比べたかというと、中古価格が、そういった安価な現行機のライバルとなるからだ。
300万画素と言ったが、実は、RAW現像ソフトの RawTherapee で CCD-RAW を現像すると、何故か600万画素で現像される。是非お試しあれ。