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今年の準備

ぼくは、冬はどうにもならないので、仕事以外は半ば冬眠状態なわけですが、一応いくらかは準備というか仕込みもしている状態です。
基本的に仕込みに関しては言わないタチなわけですが、そろそろ、ぼく自身の意志のようなものもはっきりさせる必要があるのかもしれません。

ぼくよりも、随分と若いですが、昔からの友人とのやりとりで、現在の教育というものに関して、いくらかの話を聞いてきました。その中で重要な話は、いわゆる、ぼくと同じく発達障害を抱える子供たちに関しての話です。
現状において、重要とされる事は、席に座れる子供の教育だったり、要は、現在の制度の範囲に収まる、現代における問題にならない子供の育成の話だったりします。
身に覚えがあるか?と言われればありますね。大人しく座ることは困難でしたが、じっと座る方法の一つとしては、体のどこかに刺激を与えて、意識をそちらにそらすことでした。要は、痛みがあれば、意識はそちらに向かうので、ある程度はじっとしていられたわけです。
何もせずに、じっとしていろと言われれば、それは発狂ものでしょう。拷問というか、精神が崩壊しそうになってしまいます。今思えば、あのムズムズ感はアカシジアの感覚に近いですね。そういう体験が無い人には分からないかもしれませんが・・

そういう状況において、今やっている平均化教育は正しいのか?と聞かれるわけですが、ぼくも回答には困るのです。というのも、座っていられれば良いというのも事実なわけです。
今も昔も、日本の社会に求められてきたのは、ゼネラリストの育成で、平均的に何でもできることが望ましいし、社会もそのようにできています。
もし、ある発達障害者が、特定のスペシャリスト教育を受けたとしても、社会にはその枠組みが無く、大人になったとき、「なぜ、ぼくにゼネラリスト教育をしてくれなかったのか?」という、構造的な問題に行き着くことから、特殊な教育というのもなかなか難しいのだろうというのは察しがつくわけです。皆ができる事をできる事が望ましい社会なのです。事実を言えば、そのゼネラリスト教育こそが、日本社会の構造的な効率の悪さの元凶だとも思えるわけですが、ここでは割愛します。

その友人が以前やっていたことは、アウトサイダーアートに関する仕事だったかと思います。ぼくも、少しばかり、発達障害者の支援というか、いわゆるアウトサイダーアートの現場を見てきたわけですが、そこにある自己欺瞞というか、そういったものにはついていけないというのが第一感想です。まず、問題に思えたのは、何故ここに押し込まれる必要があったのか?もう一つは、上の人の都合の良い障害者ばかりなんだなという感想。それが社会においてどういう意味を持つのか?については、深く考えてはならないのでしょう。
その事に関する、悩みのような事も何度か聞きました。回答を言葉で言う事は、なかなか困難な事です。月並みの言葉しか言いようがありません。ぼく自身も当事者であるにも関わらずです。

その事も含め、ぼくが社会において何を出来るのだろうか?と考えた上での行動をしてみようと思っています。近い人からの反対もありましたし、現状を受け入れろ、それを含めての才能だとの言葉もいただきましたし、けっこう叱られたりもしましたが、試しもせずに回答を急ぐこともないだろうと判断して、ぼくは事を起こそうと思っています。
単純に、ぼくが言いたいことは、彼らも含めて、今ここに存在するという事につきます。美しい蓋とぼくは呼んでいますが、ぼくは、少しでもその蓋をこじ開けたいと思っていました。理由は簡単です。ぼくは黙っていれば、その蓋の中の住人なのです。色々と悪化すれば、いつ隔離されてもおかしくはありません。そうすれば、見せかけの社会は美しくなるのでしょうが・・
ぼく自身も当事者として、声を上げるべきなのだろうと、色々な人との話の中で感じた事です。ぼくにできるのは、今同時にある、ある封殺された声を聞き取る事なのだと思っています。今までやってきたことは、そこに至るまでの自己紹介のようなものです。

2017年ごろまでアニメーション等の映像作家 その過酷さから病気に倒れ、限界を感じた事から、その後写真作家に転身 イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、キヤノン写真新世紀 LensCulture 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。東京都写真美術館で個展、LensCulture Art Photography Awards 2022 LensCulture Emerging Talent Awards 2023 にて Jurors’ Picksなど NHK ドキュメント20min.「蟻(あり)と人間とぼく アーティスト・中村智道」で紹介される 尚、写真等の無断使用はお断りいたします。一言ご連絡ください。 お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。 e_mail:nakamura.tomomichi@gmail.com

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