DxO PhotoLab と他のソフトの連携 なかなか良い
目次
なぜDxO PhotoLabなのか
基本、現像ソフトのメインは、ぼくの場合はフリーソフトの RawTherapee なわけですが、このソフト、ほぼ手動であり、細かくパラメーターを弄るには、かなり優れたソフトで、更に比較的フラットな画像から始まるので、その後の方針を固めるという意味では、作品作りには無くてはならない存在なわけです。
ただ、ほぼ手動なため、けっこう時間が必用なのも事実です。ぱぱっと自動化出来るソフトは無いものだろうかと、春ごろにRAW現像ソフト難民をしておりました。
あと、RAW現像ソフトの重要な問題として、自分の装備に適合しているか?の問題もあります。要はサポートがあるかどうかが重要なわけです。あと、簡単に綺麗な画像が出てくる事も重要です。
候補として考えたものに、Capture One と SILKYPIX がありましたが、ぼくのPENTAX 645システムに向いていない事が致命的でした。
そこで、思い出したのが、DxO PhotoLab なわけです。
知人は、このソフト、触れるパラメーターがあまり無いので、使えないとか言っていたわけですが、そうだとすると、かなり自動化されたソフトである事が考えられます。あと、RawTherapee も使うわけで、パラメーターの多さは決め手にはなりませんでした。
あと、決定的に良かったのは、DNGファイルを出力出来る事です。これは、他にも出来るソフトはありますが、ぼくの装備を考えれば、ベストと思える選択肢でした。
少し不思議な点 何故かEXIFが無いレンズも自動的に判断してくれる
このレンズが出てから、けっこうな月日が経ちますが、ぼくはこのレンズ、出てすぐに買った記憶があります。当時の値段は29800円でした。今は、SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC という感じの略名で、少しばかりデザインが変わっているようですが、光学系は変わらないようです。
このレンズ、当時の超広角レンズとしては、非常に解像性能は良く、自然系の写真を撮る上では、この上なく活躍したわけですが、この歪みのおかげで、街の撮影や、室内の撮影には不向きでした。
その後、色々とプロファイルが出てきて、環境は改善されていったわけですが、プロファイルは手動で読み込むというものだったのと、色収差や周辺減光など、まだまだ曖昧な部分は多かったのです。
SAMYANG 14mm F2.8 ED AS IF UMC は、マニュアルフォーカスレンズであり、EXIFは無いわけですが
フリーソフトばかり使っていた身としては、なぜEXIFの無い、このレンズが、勝手に自動検知されるのか不明ですが、とりあえず、このパターンの画像が入ると、自動的に補正が入るようです。
ミラーレス化した現在では、レンズに歪曲収差があるのは当たり前の状況でもあります。そもそも解像や、小型化のためソフト的に補正した方が合理的というのが今の考えでしょう。フィルムでの撮影をしないという点もあります。それに、光学ファインダーを覗かないという仕組みを考えても、レンズの歪みがそれほど問題にならないのは理解できます。確か歪曲収差補正をしないほうが補正光学系レンズを減らせる分、解像されるのです。ただ、このレンズは、一眼レフ時代のものであり、まだその考え方の元に作られたものではありませんでした。それでも、安価で作る上に解像するということになると、収差が出るわけで。実のところ、今でこそ本領を発揮できるレンズと言えるでしょう。
カメラには記載されないデータが、何故かソフト上では書かれている
絞り値は分かるのですが、メタデータとして、何もしてないのに既に認識されているというのは便利です。AIによる検知でしょうかね?更に、これまで使ってきた、どの現像ソフトよりも補正はよくできているような気がします。
しかし、こうして使うと、まるで電子接点とチップが入っているレンズかのようで、非常に便利です。
PENTAX K マウントユーザーなら、ますます買っておいて損は無いレンズということになるでしょうか?
このレンズは被写界深度が深く、3~∞の間付近に合わせて、F5.6以上に絞れば、どこにでもピントが合うので、スナップも非常に楽です。もっとも、ぼくは、ここまでの広角レンズを使うのは年に一度あるか無いかではありますが。
カラーレンダリングは、ソフト内のものと、dcpプロファイルのインストールが可能
ぼくは、けっこうカメラの色にはこだわるのですが、特にですが、SONYの静止画の色は好きではありません(動画は好きですが)。ただRAW撮影なので、色をCANONやPENTAXに合わせる事は可能です。個人的によく使うカラーレンダリングは、PENTAX 645Z と CANON EOS R のものです。つまり風景と人物で分けて使っているという感じです。
基本2台持ちでの撮影が多いのですが、だいたいメーカーを統一しないというスタイルが多いのです。その場合も、統一感のある絵が出てくるので助かりますね。
他のソフトと連携
DxO PhotoLab は、比較的安価なソフトではありますが、この点においては、非常に優秀だと思います。進んだ自動化処理によって、簡単に綺麗な絵が現像できるだけでなく、このソフトでは出来ない事を、他のソフトに委ねる事が可能だということ。個人的には、 DxO PhotoLab → RawTherapee 或いは Affinity Photo との連携で、ほとんどの事は出来るという印象です。
DxO PhotoLab のレンズ補正は、高度に自動化されており、楽ではありますが、問題点として、古いレンズにはあまり対応していないという点があります。
そこで、 Affinity Photo や RawTherapee のプロファイルを使うと、かなり広域でレンズプロファイルをカバーできるということになります。 Affinity Photo のレンズプロファイルは、基本的にLensfun のもので、新しいレンズのサポートはイマイチですが、古いレンズは何故かあったりします。リンク先のサポート一覧には無いレンズもサポートしていることがあるので確認してみるのも良いでしょう。 RawTherapee に関しては、LensfunとLCPプロファイルの両方を使えるので、現状、この点においては最強でしょう。この組み合わせで無いプロファイルは、自分で作るしかありません。ぼくは、たまに自作のLCPプロファイルを作っています。
RawTherapee との連携
例えばですが、この SMC PENTAX-F 28mm F2.8 というレンズは、 DxO Photolab ではサポートされていません。EXIFにはデータが出ますが、レンズが古すぎるのです。
これを RawTherapee にエクスポートするとどうでしょう?
RawTherapee の自動補正のレンズプロファイルは Lensfun によるものなので、この処理は Affinity Photo においても、同様に行われます。もし、それでもプロファイルが無い場合はLCPプロファイルを探す必要があるかもしれません。
SMC PENTAX-F 28mm F2.8 については、周辺光量や色収差も補正されているので、言う事は無いでしょう。
RawTherapee だと、今のところマスクによる編集は出来ない
RawTherapee は、非常に強力なソフトながら、マスクによる部分補正は、今のところ vr5.8 では出来ません。ここで行った処理も含めて、DxO PhotoLab は RawTherapee にDNG転送出来るので、必要ならば、ここで処理しておくと良いです。
Affinity Photo に関して言えば、マスクによる部分処理が可能となっております。
darktable という選択肢
より高度なマスク処理を行いたい場合は、他の有力フリーソフトである darktable をおススメします。もちろんこちらも DxO PhotoLab との連携が可能ですが、出力後の色の変化が激しいのが、今のところ難となっております。ちなみに、このソフトのバージョン3.6.0.1は不具合が非常に多いので、以前のバージョンがあれば、そちらを使うのが吉でしょう。このソフトのレンズプロファイルも、Lensfun ということになります。
新しいバージョンをインストールしてしまった場合は、アンインストールした後、ローカルディスクC¥ユーザー¥自分のファイル¥AppData¥Local¥darktable の順でフォルダーが見つかりますので、それを削除してから、古いバージョンを再インストールしてください。そうしないと、古いバージョンの darktable は動かない可能性が高いです。個人的には、バージョン3.4.0が英語仕様ながら、圧倒的に使えるパラメータが多く、使いやすいと思います。特にですが、このソフトのネガポジ変換機能は、非常に強力です。
ちなみにですが、赤線のTempファイルについてですが、ここは RawTherapee を使う場合は、定期的に中身を削除する必要があります。そうしないと、フォルダーの中身に、RawTherapee が吐き出した一時ファイルであるTIFF画像が増え続けて、ローカルディスクCの空き容量が、どんどん減っていきます。
Affinity Photo との連携
DxO PhotoLab には、基本的に、ここまで古いレンズのプロファイルは入っていないようです。そこで、このDNGファイルを Affinity Photo にエクスポートしてみます。
矢印の部分で、プロファイルを検索すると CANON LENS FD 50mm F1.4 レンズのプロファイルがありました。何故かこういうのがあるのは不思議です。
Affinity Photo の現像機能で出来る事は、DxO PhotoLab ではほとんど出来ますが、古いレンズプロファイルに関してだけは 、Lensfunプロファイルを使う Affinity Photo のほうが優秀なようです。
ただ、プロファイルが DxO PhotoLab にある場合は、こちらが全面的に強力なので、処理後はTIFF出力だけで良いかもしれません。
DxO PhotoLab → RawTherapee → Affinity Photo
個人的には、DxO PhotoLab → RawTherapee → Affinity Photo という並びで、ソフトを使うのが基本になってきています。三つもソフト使うのは面倒ではないか?と思われるかもしれませんが、それぞれの得意なところしか使わなくなり、むしろ処理スピードは速くなりました。あと、 DxO PhotoLab のノイズリダクションは優れており、他のソフトよりも一枚上手だと思っております。多くの自動処理で、元より綺麗な絵を出した後、RawTherapeeで細かく弄るというのは、随分と楽な作業なのです。その後、TIFFを Affinity Photo に出力して、リサイズやjpgでのエクスポートといった感じです。
RawTherapeeとAffinity Photoの連携
この環境設定内の中の、カスタムコマンドラインの項目に、 Affinity Photo の場所を打ち込む必要があります。こうすることで、 外部エディターとして Affinity Photo を使うことになり、RawTherapee から書き出された画像が、 Affinity Photo から開かれる事になります。
書き出された画像
とりあえず、ソフトの使い方が固まってきたので、今後は作品を作るのみです。
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