canon eos r
blog,  オールドレンズ

Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5

Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 との出会い

このレンズ、ぼくがデジカメを始めて、かなり早いうちから持っていたレンズです。たしか10年ほど前の話、鳥取に行ったときに、キタムラに置いていて、安かったので購入。
その時使っていた機種はPENTAX K100D Superで、それも未だに使っているわけですが、初めて撮った写真の無限遠での山際とかに出てくるフリンジが嫌で、その後あまり使わないというのが続いていたという感じです。
ヘリコイドがスカスカになったため、一度分解整備もしましたので、もしかしたら画質に変化があるのでないか?とも思い、再び使ってみることに。
ちなみに、このレンズ、当時よく銘玉と言われていて、風景を撮ると空が綺麗に撮れると聞いていたのですが、オールドレンズは全くの初心者で、どう考えてもDA 18-55mm のキットレンズのほうが写りが良いと思ってしまったわけです。当然ながら、オールドレンズのコントラストが、デジタル用レンズよりも低いという一般的知識もありませんでした。
オールドレンズとしては、Super-Multi-Coated TAKUMAR 55mm F1.8の次に購入したのがこれです。

外観

Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 前面

当時としては画期的なマルチコーティングのレンズです。ペンタックスのレンズは、これによって逆光耐性が高めだったのです。Super-Multi-Coated の文字が熱いです。後のSMCコーティングですね。まぁ、ぼく自身は、オールドレンズを付けると、条件反射で、逆光状態での撮影はしなかったりで、そういう点に気がつきません。

Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 横

だいぶ使い込まれたレンズですね。色がところどころ剥げてはいますが、レンズそのものにカビとかは無かったように思います。
開放はF3.5と地味なスペック。ただ、それだけ無理の無い設計であるとも言えると思いますので、描写には期待したいところ。

Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 絞り

これは残念な、絞り羽5枚です。見事な五角形・・最も、被写界深度も深く、開放で撮るようなレンズでもないため、まぁ問題になるようなことも少ないでしょうか?ボケを楽しめるほど、明るくもないわけで。

チャートでも撮ってみましょうか

まぁ撮るのは良いとしても、かなりの近接撮影であります。更にこのチャート、買ったのは良いものの、細かい部分の線がつぶれていて、まともに測定できません・・ですからまぁ、こういう形で活用してみます。立派なチャートとか、ただの紙のくせに恐ろしく高いのです。これも、ただの印刷物のくせに十分に高かったのですが・・
テスト機はCanon EOS R となります。

EOSM0473.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF3.5])

設計に無理が無いせいか、開放から中央は見事に解像しております。
でも周辺は流れまくり・・まぁこの年代のレンズですから仕方がないといえばそう。

EOSM0474.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF5.6])

これ、中央の解像は凄いですね・・APS-Cのカメラなら、良い線いきそうです。
しかし周辺は・・これ、けっこう像面湾曲ありますね・・

EOSM0475.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF8])

こりゃ、近接撮影では、周辺画質あきらめたほうが良いかもね・・
確か、もう少し距離をとれば違う結果になると思うんですが・・

EOSM0476.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF11])

あまり変化がありません。

EOSM0478.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF16])

ここで、いきなり全域解像です・・何でしょうね、これは不思議です。

出かけて撮影でもしてみる

昔の初心者としての感覚ですが、当時は画素数は多いと弊害があるとか、レンズは明るいほうが良いとかで、そういう刷り込みもあり、同じPENTAXのレンズとしても、SMC PENTAX-M 28mm F2.8 とかの描写のほうが好きでした。少なくとも、これよりもボケたからです。
ただ現在は、時を経て無駄知識も入っており、当時とは違った評価になるかもしれません。

EOSL0574.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF8])

数日前ですが、すんごい霧でした。
と、ここで気が付いたのですが、これ、フィルターでケラれてますね・・気が付きませんでした・・しくじりましたが、様子は分かるはず。
しかし、やはり周辺はイマイチか・・

EOSL0577.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF8])

壊れた軽トラに近寄ってみました。
一見、解像しているように感じますが、やはり周辺はイマイチなようです。しかしながら、これならばA4ぐらいなら、そう目立たないのではないかと・・

EOSL0571.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF11])

これは、フィルム写真であるならば、それほど気になる部分は無いのかもしれません。しかし、遠景もチャートの通りかもしれませんね・・つまり、F16まで絞ると、全域でシャキッとする可能性があります。

EOSL0584.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF11])

冷静に考えれば、今は、デジタル時代で、等倍鑑賞が可能だからこそ、気になる部分も出てくるのではないかと思いました。等倍にしない場合は、なかなか説得力のある画質になっているのではないかと思ったりします。

EOSL0592.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF8])

手前に向かって、一応ボケていく様子が分かります。

EOSL0589.JPG
(Canon EOS R/Super-Multi-Coated TAKUMAR 28mm F3.5 [絞りF8])

近寄ってみました。等倍にしないかぎりは、絵に破綻があるようには思えません。ただ、個人的には、これを銘玉というのは、きついような気がします。
ただ、きちんと晴れている様子など、撮れていませんので、もう少し検証してみる必要があるでしょう。
おそらく、昔見て、嫌な感じがあったというのは、間違いではなかったような気がします。ですが、今見ると、それほどではないという気もします。
まぁ、広角が良くなったのは、本当に最近に話なので、これはこれで、当時は優秀だったのでしょう。
時間が出来たら、もう少し撮ってアップしてみます。

2017年ごろまでアニメーション等の映像作家 その過酷さから病気に倒れ、限界を感じた事から、その後写真作家に転身 イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、キヤノン写真新世紀 LensCulture 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。東京都写真美術館で個展、LensCulture Art Photography Awards 2022 LensCulture Emerging Talent Awards 2023 にて Jurors’ Picksなど NHK ドキュメント20min.「蟻(あり)と人間とぼく アーティスト・中村智道」で紹介される 尚、写真等の無断使用はお断りいたします。一言ご連絡ください。 お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。 e_mail:nakamura.tomomichi@gmail.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です