HELIOS-44M-6 58mm F2
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Zenit (ゼニット)のカメラに付いていた標準レンズ
詳しい事はよく分かりませんが、ゼニットの一眼レフカメラに付いていたレンズです。カメラは、欲しいという人がいたので、譲ってしまいましたが、レンズは面白いので残すことにしました。
このシリーズは、 Carl Zeiss Jena BIOTAR 58mm F2.0 をコピーしたレンズと言われ、ロシア製です。
ビオター(BIOTAR )1930年代の設計で、1959年まで製造されていたようです。
そういえば、1960年代以降の標準レンズは、最近まで、その設計そのものは大きく変わらずにオートフォーカス化されていたりで、わりと現代的とも言えるかもしれませんが、それ以前の設計というのは、この時期から代替わりしていったという印象もあります。
HELIOS 58mm F2レンズそのものは、ぐるぐるボケで有名なレンズですが、古いレンズながら、実は描写性能も良いという印象があります。
最短撮影距離 50cm 絞り羽根 6枚 絞り F2~16 M42マウント フィルター径52mm ロシア製 となります。
有名なぐるぐるボケですね。
そもそも、こういったボケは、設計の未熟さからくるもので、良いとは言われないものですが、個性でもあって、あえてこれを楽しむという方も多くいるようです。
これは、このレンズ特有の特徴と思われている方もいるかもしれませんが、最近のレンズでも、ぐるぐるボケは確認できます。
このレンズが特に有名なので、ぐるぐるボケといえば HELIOS という感じになっているのではないでしょうか?
チャートを撮影してみる
大したチャートでもないので、参考程度ですが、どのような描写傾向があるのか、少しは分かります。
チャートは、クリックで拡大して、等倍鑑賞可能です。
もやっとしていますが、中央はそこそこ解像している感じです。
ぐるぐるボケが期待できるのは、この絞り値です。
一段絞ると、透明感が上がり、中央はシャキッとしてきましたが、周辺はまだボヤっとしています。
解像する領域は増えていきましたが、周辺はまだまだでしょうか?
周辺も解像してきました。
全体像を撮りたい場合はここからでしょうか。
均等に解像しています。
情報量も多く、風景にも使えそうです。
ここで、最も解像している雰囲気です。
周辺まで見事な描写です。
解像は維持していますが、データ量的には落ちている感じです。回折現象が出てきている感じです。
必ずしも、ぐるぐるボケが出るわけではなさそうです
必ずしも、いつでもぐるぐるボケが出るわけではなくて、ある条件がそろわないと出てこないようです。
一眼レフ時代は、なかなかぐるぐるボケが出なくて、本当にぐるぐるボケが出るのか?と思ったほどです。
ミラーレスだと、ぐるぐるボケが出ているのを確認しながら撮影できますので、それを狙って撮ると上手くいきます。
少しざわつく背景だと、ぐるぐるボケは発生しやすいようです。
こんな感じですね。
EVFでも、そういうボケが発生しているのが確認できますので、容易に撮ることが可能です。
そこそこ優秀な描写
ものすごく古いレンズで、その設計は戦前のものですが、絞ると解像します。スナップ用途等、十分な性能があると思います。
逆光での撮影をしていませんが、逆光耐性は、けっこう酷いものです。逆光の効果を狙うにしても、画面が真っ白になるぐらい弱いので、角度など注意しながらの撮影になると思います。
個人的に、色はイマイチという印象があります。開放では強い寒色になります。
ざざっと、こんな感じですが
HELIOS 58mm F2 は、それなりに解像もしますし、戦前の光学設計も、なかなかのものだと気づかせてくれます。
特徴として、ぐるぐるボケが挙げられますが、絞れば解像しますし、コントラストもそれなりに上がります。
現在では、きつい部分もありますが、特性を理解しているならば、かなり綺麗に撮影できるレンズでもあります。
今ではネタ系のレンズですが、面白いレンズでもありますので、興味のある方は入手してみても良いかもしれません。