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2020年の春

2020年の春は、特別な春になってしまいました。
クラスター対策班は、時間稼ぎという意味では、それなりの仕事をしたと思います。しかしながら、残念な事に、この時間の間、政府が何か準備をしたか?という事になると、まったくの不十分。そして今日、東京での新たな感染者数は100を超えてしまいました。

PENTAX 645D/smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF] SDM AW

SARS CoV2による感染症、covid 19は、世界で猛威を振るっているものの、自然はそのまま春。毎年のように花は咲きます。ただ、そこに人が溢れるようにいるということはなくなりました。
ぼく自身は、生物の振る舞いのようなものに興味があって、武漢でこのウイルスが発生してからというもの、友人やFBで少しばかりは危機をうったえてきましたが、これが人に通じることは稀で、ここまで起こっていた事を想像できた人は多くはなく、未だに危機感は薄いような気もします。
生物というかウイルスは半生物のような存在ですが、これは、放射能とかそういうものとは決定的に異なり、意志のようなようなものを持っているということ。どのような意思?と言われれば、増殖するという意思。人間が思うよりも、自然界には意志のようなものがあると思います。単純に、その流れの中に人間がいるということ。人間の意志もそうですが、増えて繁栄するというパターンが、この自然界では生き残ります。

PENTAX K-1/CHINON 500mm F8

ウイルスは自己増殖できません。ウイルスは、宿主になる細胞を借りて増殖します。そこが、自己増殖できる一般生物とは異なるところ。
そういった生き物は、その細胞が免疫を持つと生きていくことが出来ません。だから、ウイルスは変異して、自分の遺伝情報を書き換え、新たな存在として、宿主の体を借りて増殖します。

PENTAX 645D/smc PENTAX- FA645 200mm F4

ぼくは、武漢での出来事を恐れていました。今まで、見たことの無いような、異様な動きと禍々しさを感じたからです。
ですが、日本の政治家や専門家は、驚くほど政治家でも無ければ、専門家でもありませんでした。少なくとも、2か月前に、武漢という見本があったわけですが、多くはそれを理解していなかったように思います。
彼らは、日本人にはうつらない、インフルエンザよりも軽い、感染力は弱い、韓国は検査しすぎたから医療崩壊した等、自己都合の情報を流し続けていました。そして、多くの人が、その意見を選択することによって世の中は今の段階まで来てしまいました。不都合な真実よりも、都合の良い嘘を選択したわけです。
正しい情報というものを流せば、それは非難の対象になりましたし、炎上の対象にもなりました。

PENTAX K-1/CHINON 500mm F8

ぼくが憂いても仕方のないことですが、今年の1月31日に書いた、FBでの投稿を以下に貼っておきます。

今、世の中が欲していることは、嘘でもいいから自分達という存在が素晴らしいと思わせてくれということ。政治的には、この社会が腐敗し、劣化しているという事実をごまかすこと。だから、それが出来た今の政権は強かった。たぶん、そういうことが上手いリーダーというものを何十年も求めてきたのだと思う。
故に、今の芸術の役割、それはこの臭い世界に蓋をすることだと思う。政治的にはそうなのだから、その手下である芸術は、臭いものに蓋をし、この世は素晴らしいものだと人々に錯覚させる必用があった。敵対視しているようでも、実のところ彼らの都合に加担しているだけということもある。
もう、分かっている事だが、それを繰り返しても、世の中は変わらない。むしろ自らを欺いた事で、更に劣化する。
政治的手段としての芸術などたかがしれている。個人を言ったところで、所詮はイデオロギーに支配されている。もうありもしない古くさい世界を思いながら権力闘争しているのにすぎない。別の蓋を用意しているだけで、それが魅力的に映るかそうでないかなのにすぎない。
理想郷などというのは、本当はディストピアだ。なぜなら、それは既に多様性を排除し終わった世界だからだ。それは必ず腐敗し劣化する。そして崩壊する。
世の中を見ていれば分かる。本当は色々な多様な存在の鬩ぎ合いやバランスで、世界は維持されている。別に仲が良かろうが悪かろうが関係ない。そういうもののバランスでこの世の中は成り立っている。
人間だけが、この自然界のルールから超越した存在だと思うのは愚かな事だ。
決定的に欠けているのは個の存在とバランスだろう。そういうものを、イデオロギーに狂った名もない群衆が徹底的に叩き潰す世の中になった。ネットとグローバリズムによってもたらされた、その巨大な力の前に個は生存を考える必用がある。
攻撃される個をイデオロギーが救おうとすることもあるかもしれないが、飲み込まれる前に、個であり続ける必用がある。

2017年ごろまでアニメーション等の映像作家 その過酷さから病気に倒れ、限界を感じた事から、その後写真作家に転身 イメージフォーラム・フェスティバル、バンクーバー国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画際、タンペレ映画祭、キヤノン写真新世紀 LensCulture 等で発表。 写真関連は、初の写真作品で、キヤノン写真新世紀2019年度グランプリ受賞。東京都写真美術館で個展、LensCulture Art Photography Awards 2022 LensCulture Emerging Talent Awards 2023 にて Jurors’ Picksなど NHK ドキュメント20min.「蟻(あり)と人間とぼく アーティスト・中村智道」で紹介される 尚、写真等の無断使用はお断りいたします。一言ご連絡ください。 お仕事のご相談など、気楽に、ご連絡ください。 e_mail:nakamura.tomomichi@gmail.com

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